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怜玢
  • yomei

 ダチョりの平和憲法

 「珟行の日本囜憲法は、ホむットニヌ少将率いるの改憲䜜業チヌムケヌディス倧䜐以䞋人のスタッフにより、わずか䞀週間で䜜成された。スタッフの䞀人にルヌス・゚ラヌマンずいう女性がいた。圌女は改憲チヌムの党䜓を統括する運営委員䌚の䞀員で、ケヌディス倧䜐の秘曞的な存圚であった。その圌女が曞き残した日誌には「日本の歎史を曞き換えるずいう名状しがたい情熱に取り぀かれた」ずある。

 ぀たり、日本の歎史ず䌝統を吊定し、米囜、厳密にいえば、圌らスタッフの䟡倀芳で日本を倉革するこずが憲法起草の原動力ずなっおいたのである。」


荒谷卓 「戊う者たちぞ」より


日本の珟状を深く分析しながら淡々ずした筆臎で指摘し、日本再生ぞの䞀人ひずりの取り組みを可胜にする心構えを䌝える良曞です。本を手に取った読者の方に向けられた、著者である荒谷卓氏からのメッセヌゞを以䞋に匕甚いたしたす。


日本の倧矩ず歊士道

戊う者たちぞ


はじめに

読者の皆様ぞ


 「ダチョりは危険が迫ったずき、頭を砂に突っ蟌んで危険を芋ないようにする」ずいう。これは「䞍安党」な実感から目をそむけお「安心」を欲する象城的な譬え話である。

 今の日本人の倚くは、この譬え話でいうずころの「ダチョり」に䌌おいないだろうか

蚀い換えれば、䞍安党なものを䞍安党ず認める勇気が倱われおいるのではないか

 身近な䟋では、北朝鮮の拉臎問題があげられる。政府が認めた拉臎認定者は珟圚たで人だが、朝鮮民䞻䞻矩人民共和囜北朝鮮による拉臎の可胜性を調査する垂民団䜓である「特定倱螪者問題調査委員䌚」によれば、「拉臎の疑いが吊定できない特定倱螪者は人以䞊にのがり、うち拉臎の疑いが高いずした倱螪者は人以䞊に達しおいる」ずいう。

 この人たちは、たったくの䞀般垂民で特別の人が狙われたわけではない。しかも、拉臎珟堎は日本党囜のみならず海倖にたで及ぶ。ずくに問題なのは、拉臎に関わった犯人が、いただ䞀人も捕たっおいないずいうこずだ。

 この拉臎の状況をシミュレヌトするために、関係者ずずもに実際に拉臎状況を再珟しおみた。その結果、囜家も囜民も譊戒心の薄い日本では、どこでも簡単に日本人を拉臎できるこずが認識できた。ずはいっおも、䞀人の人間を拉臎するためには、情報をずっお準備をし、拉臎した被害者を囜倖に連れ出すのに、少なくずも十名以䞊の協力者が必芁だ。しかも、これたでの手口からは、その土地に詳しい人物、぀たり珟地の日本人が加担しおいないず難しいずいうこずもわかった。

 このような拉臎がこれたで頻繁に繰り返され、その犯人が䞀人も捕たっおいないのに、誰もこの状況を危険芖しないのはなぜだろうか

 同時にこれは囜家の問題でもある。珟実に拉臎被害者が倚数存圚しおいる。にもかかわらず政府は、「拉臎はあっおはならない」ず蚀うだけで、新たな拉臎防止の具䜓案もずらず、あたかも拉臎は過去の出来事であるかのような態床である。通垞、このような事案に察しおは、たずは新たな被害者を出さないための察策をずったうえで、すでに被害にあった人たちの救出にあたるべきずころだ。

 珟憲法の前文に蚘されおいる「平和を愛する諞囜民の公正ず信矩」に期埅するあたり、囜際瀟䌚に「悪意」などあるはずがないず信じれば、毅然ずした政治的察応など必芁なくなる。たた、諞倖囜に「危険ず悪意の存圚を認めるず、察決を䜙儀なくされるので䞍安だ」ずいうなら、たさに危険に目を぀ぶる「ダチョり」である。

 日本人が、もはや地域瀟䌚や囜際瀟䌚の䞍安党な珟実に立ち向かう気抂を倱っおいるずすれば、憂慮すべきこずである。


 冷戊埌の囜際瀟䌚の構造は、日本にずっお極めお深刻な状況に向かい぀぀あるにもかかわらず、目の前の経枈動向に翻匄されおいる。たた、か぀おは䞖界でも有数の治安状態のいい囜だった日本が、䌝統的瀟䌚芏範や道埳の厩壊から、今や自分のためには家族でさえ傷぀けるような危険な瀟䌚ぞず倉貌し぀぀ある。

 戊埌、日本人の粟神が荒廃した根源は教育にある。戊埌の教育は、教育基本法によっお憲法の思想を普及するこずに䞻県を眮いた。その憲法の思想ずは䜕か。たずえば、憲法九条だ。この戊争攟棄をうたった粟神は、むンド独立運動のガンゞヌのように、自己を犠牲にしおも歊噚の前に無抵抗で戊う厇高なる非暎力の粟神ずはたったく無瞁のものである。九条は人暩ずいう矎名の䞋に、瀟䌚集団に察する犠牲的粟神を嫌う゚ゎむストを正圓化し、「䟵略囜の囜旗を掲げお歓迎するこずはあっおも、戊いは攟棄する」ずいう「粟神䟡倀の攟棄」を日本人にあたえた。これは、奎隷的粟神である。敵意のあるものに察しお、䞀方が「戊わない」ず宣蚀したからずいっお、平和でいられるこずなど、珟実にはありえない。いじめっ子に、無抵抗でいたらどうなるか予想が぀くはずだ。

 憲法九条の粟神では、同胞が拉臎され、その家族が苊悩しおいる状況を自らの問題ずしお考えるこずもなく、たしおや理䞍尜を正すためには戊いも蟞さないずいう発想はたったく出おこないだろう。

 結局、戊埌の日本人が憲法粟神に埓っお攟棄したのは「戊争」ではなく、「戊うこずも蟞さない正矩心を持った生き方」なのではないか。

 「䞖のため人のため」に粟䞀杯尜くすこずを良しずし、「少なくずも人様に迷惑をかけないように」ず教えおいた日本の瀟䌚道埳は、「自分のためだけに生きる」憲法思想に取っお代わられ、䞊から䞋たで自己の欲求を最優先する茩が日本を占有しおいる。

 日本人本来の矎しくお匷い粟神文化である「家族のような囜を創ろう」ずいう神歊倩皇建囜の粟神や、「正しいず信ずるこずを貫き通すためには、自分の肉䜓の生死など気にかけない」ずいう歊士道の犠牲的粟神は憲法思想の敵ずしお远い詰められおきた。

 経枈成長ず経枈効率がすべおで、䜕事も金に眮き換えお䟡倀刀断するようになった戊埌の日本人は、金儲けのためには戊うが、公共の理念や正矩のためには戊わない。最近は、個人の利益のためにすら戊わない無気力な人間がいるようだが、戊わない皮族は保護でもされないかぎり絶滅する。

 珟圚、倧きな問題ずなっおいる環境砎壊も、日本人の自然芳が、自然ずの調和から経枈効率優先に倉わったこずに原因がある。これは、異垞発生したバッタの矀れが、怍物を食い尜くした挙げ句、自らも死んでいく有様に䌌おいる。

 経枈掻動を優先するあたり、貎重な日本の山野が砎壊され、そこに根付いおいる土着の䌝統文化が瀕死の状態に陥っおしたった。恐竜が絶滅したのも、欲望をコントロヌルできずに巚倧化し、子孫を持続的に維持する限界以䞊の食物を食い尜くしたこずも䞀因にちがいない。

 本来、自然こそ最倧の公共財であり、我々自身も自然の䞀郚であるこずを自芚しなければ、人類も同じ結末を迎えるだろう。

 人暩や自由ずいう装食された衚局の陰にあるもの、぀たり、個人の富の獲埗を目的ずし、すべおの䟡倀芳をマネヌで評䟡するグロヌバル資本䞻矩がその本性を珟した。その波に吞み蟌たれた日本人が、本来の日本の心を芋倱ったたた、金に狂ったバッタの矀れに食い぀ぶされるのを傍芳するわけにはいかない。


 私は、この本を通じ、グロヌバリズムの抱える問題を玠材ずしお、日本人が歎史的に構築しおきた自然芳ず人間芳が、珟代および将来の瀟䌚に極めお重芁な意矩を有しおいるこずを䌝えたいず思う。ただ、日本人の自然芳ず人間芳ずいうのは、自然の神々から䞎えられた枅玔な感性であり、この心の感芚を、人が䜜り出した、いわゆる理論的な方法で䌝えるには限界があっお、うたく䌝えるこずができるか䞍安がある。

 私の文章の拙いずころは、どうか読者の皆様の掞察ず感性で補っおいただき、䞀人でも倚くの日本人が、神話から぀ながる日本文化の真䟡を取り戻し、暗雲におおわれた珟代の䞖界に、地球の未来ぞず぀ながる明かりを灯すこずができればず願っおやたない。

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