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469 新弁護士会をつくろうよ

更新日:2021年1月26日

赤池 まさあき

2021年01月24日 15:15

司法試験結果公表 受験者4千人を切って法曹離れ止まらず 法曹養成改革の「改革」はこれから

(出所:法務省・文部科学省)


「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条に、「日々勉強!結果に責任!」をモットーとする参議院議員赤池まさあき(比例代表全国区)です。


 1月20日(木)、法務省から令和2年司法試験の結果が公表されました。コロナ禍の影響で、試験日程が5月から8月に延期となっていました。


 http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00007.html 


 1月22日(金)、私が部会長を務める文部科学部会において、法科大学院を所管する文部科学省から報告してもらいました。


 結果は次です。


・受験者は3,703人(昨年:4,466人▲763人)

・合格者1,450人(昨年:1,502人▲52人)

・合格率39.16%(昨年:33.63% +5.53)


うち法科大学院修了者

・受験者3,280人(昨年:4,081人▲801人)

・合格者1,072人(昨年:1,187人▲115人)

・合格率32.68%(昨年:29.09% +3.59)


 法科大学院と予備試験の合格率の順位は以下です。


①予備試験378人 89.36%

②愛知大 7人 77.78%

③一橋大 84人 70.59%

④東京大 126人 58.42%

⑤京都大 107人 57.84%

⑥東北大 26人 53.06%

⑦慶應大 125人 49.80%

⑧神戸大 62人 49.21%

⑨九州大 21人 46.67%

⑩名古屋大 23人 40.35%

⑪大阪大 34人 37.78%

⑫早稲田大 75人 36.06%

⑬創価大 16人 34.04%

⑭中央大 85人 29.41%

⑮筑波大 15人 26.79%

⑯岡山大 8人 26.67%

⑰日本大 21人 29.41%

⑱同志社大 28人 23.73%

⑲明治大 30人 23.62%

⑳大阪市立大 12人 23.08%

・・・・募集中35大学 募集停止37大学


 法科大学院の目標合格率7割には遠く及ばず、法曹離れに歯止めがかかっていません。


 同日1月22日(金)には、自民党本部において、法務部会も開催され、以上の法曹離れについて、法務省に対して問題提起をして、対策強化を求めました。


●法曹養成改革の失敗

 なぜこのようなことになってしまったのか。それは法曹養成改革の失敗があります。


 平成16年度から、旧司法試験の弊害(時間的負担や試験一辺倒等)を克服すべく、質と量ともにそろった法曹養成に向けて、法科大学院を中核としたプロセス養成制度が導入されました。諸外国との比較から司法試験合格者3千人を目指し、法科大学院修了者の7~8割が合格できる教育を行うとしました。


 しかしながら、法科大学院が乱立し(74大学6千人定員H17)、司法試験合格者が増加するにつれ(1千人H16→2千人H24)、質が低下したと指摘され始めました。弁護士になっても、仕事がないとも言われました。そして、法科大学院修了者の合格率も低迷し(5割H18→3割H30)、経済的理由で例外的に導入した予備試験への人気が高まるという皮肉な結果に陥っていました。


その結果、法曹志望者が激減してしまいました。


・旧試験4.5万人H15→予備試験受験者数1.1万人

・法科大学院志願者7.3万人H16→8千人H30


 その理由は、法曹を志望する受験者に不安・迷いが出ています。(H30法学部生調査)


①経済的負担の大きさ(26.5%)

②司法試験合格率の低さ(25.1%)

③時間的負担の大きさ(23.2%)


●法曹養成改革の改革

令和2年度から開始された新制度 (出所:法務省・文部科学省)


 そこで、法曹養成改革のさらなる「改革」を実施することとなりました。


官邸での法曹養成制度改革推進会議の決定(H27.6.30)によって、法科大学院改革(教育の質の向上、経済的・時間的負担軽減(早期卒業・飛び入学の促進等)、組織見直し~H30年度)等を行い、新たな法曹を年間1,500人程度は輩出できるよう、必要な取組を進めることとしたのです。


そして、中教審特別委員会(法曹三者や法科大学院・法学部の教員等で構成)で取りまとめて(H30.3)、標準的養成プロセスの見直しによる教育の充実と時間的負担の軽減が喫緊の課題であるとして、2年前に法改正を行い、次の改革を実施することになりました。


➀ 法科大学院における教育の充実⇒選択科目相当科目を含む必要な学識等を段階的・体系的に涵養すべきことを連携法に規定

② 法学部3年(法曹コース)+法科大学院2年のプロセスを幹とする制度改正⇒時間的・経済的負担の軽減

 ⇒早期卒業・飛び入学の拡充、学部と法科大学院の連携強化、未修者・社会人の志願者に対する配慮等の連携法等改正

③ 法科大学院の定員を管理⇒司法試験合格までの予測可能性の確保

 ⇒連携法・政省令改正に基づき、現状の定員規模(2,300人程度)を上回らないよう告示で新設・定員増を規制

 ⇒連携法で、法務大臣と文科大臣が協議する枠組み導入等

④ 司法試験受験資格の見直し等(法科大学院在学中受験資格の導入)

 ⇒法科大学院在学中に所定の要件を満たした者に、司法試験受験資格を付与

 ⇒司法修習生の採用要件の見直し


 上記受験資格に基づく合格者につき、法科大学院修了を司法修習生の採用要件に


 ⇒選択科目相当科目の履修義務付けを含む法科大学院教育の見直しを踏まえ、

 予備試験の論文式試験について、選択科目を導入し、一般教養科目を廃止


 3+2と呼ばれる大学法学部3年と法科大学院2年の5年制の特別コースは、今年度4月から始まったばかりです。その修了生が司法試験を挑戦する令和5年度までの間、何もしないでよいわけはありません。法務省はもちろん、裁判所や弁護士会、そして、文部科学省も含めて、法曹離れに歯止めをかけるべく、対策強化をお願いしたいと思います。


 そのためには、検事は公益のために起訴を行い、裁判官は一部原発判決のような偏向した判決を出さず、弁護士は反政府的な活動をせず、コロナ禍の中で差別や偏見から関係者を守る等、国民の期待を担って、国家・社会での活躍を期待したいと思います。


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法科大学院 司法試験 法曹




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