これは第二小法廷である。
最高裁判所 第二小法廷
裁判長裁判官 菅野博之
裁判官 大谷直人(最高裁判所長官)
裁判官 三浦 守
裁判官 草野耕一
裁判官 岡村和美
「朝鮮学校を無償教育からなぜ除外するのか」に…日本最高裁「除外適法」判決
2020年9月4日 中央日報
日本で在日朝鮮人がハングルと歴史などを教えるために設立した朝鮮学校を無償教育の対象から除外したことは適法だという判決が下された。
NHK放送によると、最高裁判所の菅野博之裁判長は3日、無償化の対象から朝鮮学校を外したのは適法だという1・2審判決を確定した。
日本の高等学校無償教育制度は民主党政権時期である2010年4月に導入された。朝鮮学校のような外国人学校も要件を満たせば対象になるが、安倍晋三政権発足後の2013年、日本政府は朝鮮学校を無償化対象から外した。
これに対して、愛知県にある朝鮮学校卒業生10人はこのような措置は不当だとし、賠償を求める訴訟を起こした。
1審に続き2審の名古屋高等裁判所は昨年10月、「学校運営に朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)が介入し、これは教育基本法に規定がある『教育の不当な支配』にあたり、国の判断は違法とは認められない」と判断した。
最高裁判所が朝鮮学校無償教育除外訴訟で日本政府に勝訴の判決を下したのは、東京と大阪地域訴訟に続き今回が3回目。
この一方で第三小法廷では100%キムチ容認判決がだされている。
最高裁判所 第三小法廷
裁判長裁判官 林 景一
裁判官 戸倉三郎
裁判官 宮崎裕子
裁判官 宇賀克也
裁判官 林 道晴
同じ朝鮮人学校への補助金裁判でかたや棄却、かたや提訴されて有罪判決ラッシュとはどういうこと?
「朝鮮人学校補助金要求声明」について
ア 「朝鮮人学校補助金支給要求声明」とは、神奈川県弁護士会を含む各地の弁護士会及
び日本弁護士連合会が、学校法人神奈川朝鮮学校を含む各地の朝鮮学校に補助金を交
付するよう求めて出した会長声明を言う。
イ 「違法である朝鮮人学校補助金」とは、朝鮮学校に補助金を出すことは違法であるこ
とを言う。
そう思料された根拠は諸々であるが、公的に権威のあるものとしては国の見解がある。
国は、公安調査庁の報告、参議院予算委員会における公安調査庁長官の答弁、文科省の
就学支援室から朝鮮学校への照会、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の刊行物やホー
ムページ、在日本大韓民国民団の刊行物や文書、新聞報道等を根拠に、朝鮮高級学校に
対する北朝鮮や朝鮮総連の影響力は否定できず、その関係性が教育基本法16条1項で
禁じる「不当な支配」に当たらないことが確認できず、就学支援金が授業料に充当され
ないことが懸念されるとの見解を有し、同見解を、裁判においても主張していた。
ウ 「違法である(中略)要求声明」とは、強制加入の公法人である弁護士会が、会員個
々の思想信条や政治的立場の相違により大きく意見の分かれる問題について、会とし
ての決議をなしたり会長声明を発したりすることは、法人の目的の範囲を逸脱するも
ので違法無効だという意味である。
そう思料する根拠としては、南九州税理士会の政治団体への寄付金決議が目的の範囲
外とされた最高裁平成8年3月19日判決が有名である。ちなみに弁護士会について
は、国家秘密法に反対する日弁連総会決議が弁護士会の目的の範囲を逸脱したもので
あるとして111人もの弁護士が日弁連を訴えた事件がある(東京地裁平成1年(ワ)
第4758号事件)。111人もの弁護士がそう思料するのであるから、一般人がそう
思料することに根拠が無いと言えるわけがない。
エ 「要求声明に賛同し、その活動を推進する行為」は、弁護士会の内部で会長声明を出
すよう働きかけたり、会長声明が出された後にこれを支持する旨の意見を表明をする
等の行為である。
オ 「日弁連のみならず当会でも」は、日弁連でも神奈川県弁護士会でも、という意味で
ある。
カ 「二重、三重の確信的犯罪行為である。」とは、憲法89条に違反して公の支配に属
しない事業へ公金を違法に支出すること、教育基本法16条に違反する教育事業に公
金を支出すること、弁護士会の法人の目的の範囲外の行為である会長声明を違法に行
うこと、さらに北朝鮮がミサイルや核開発や拉致という明白に違法な行為により、日
本人の生命、身体、自由に重大な脅威を与えている中で、その影響下にある朝鮮総聯
の傘下にある学校に資金援助をすることは、日本人の生命、身体、自由に重大な脅威
を与える違法行為に加担することに他ならないこと、したがってこれら二重、三重、
四重もの違法行為を、一般人ならいざ知らず、いくら弁護士が法に疎いといっても、
とりあえずは法の専門家といわれる弁護士が行うことは、確信的犯罪行為と言っても
過言ではないという意味の論評である。ここまで説明すればわかるかな。
弁護士会の「違法な要求声明」を懲戒事由とすることの許容性
弁護士会の活動に関する批判として懲戒請求がなされることについては、H 23年最
判の須藤正彦裁判官の補足意見が重要である。以下、引用する。
「弁護士は裁判手続に関わって司法作用についての業務を行うなど、その職務の多く
が公共性を帯有し、また、弁護士会も社会公共的役割を担うことが求められている公的団
体であるところ、主権者たる国民が、弁護士、弁護士会を信認して弁護士自治を負託し、
その業務の独占を認め(弁護士法72条)、自律的懲戒権限を付与しているものである以
上、弁護士、弁護士会は、その活動について不断に批判を受け、それに対し説明をし続け
なければならない立場にあるともいえよう。懲戒制度の運用に関連していえば、前記のと
おり、弁護士会による懲戒権限の適正な行使のために広く何人にも懲戒請求が認められ、
そのことでそれは国民の監視を受けるのだから、弁護士、弁護士会は、時に感情的、ある
いは、無理解と思われる弁護活動批判ないしはその延長としての懲戒請求ないしはその勧
奨行為があった場合でも、それに対して、一つ一つ丹念に説得し、予断や偏見を解きほぐ
すように努めることが求められているといえよう。あるいは、著名事件であるほどにその
説明負担が大きくなることはやむを得ないところもあろう。この観点からしても、(光市
弁護団)の被侵害利益の程度は大きいとはいえないと評価できる面があるように思われ
る。」
以上の補足意見からすれば、会長声明に対する主権者国民からの批判が懲戒請求とい
う形で出されても、弁護士や弁護士会は、丹念に説得する責任があり、その説明責任が大
きくなっても、違法に利益が侵害されたとは言えないという結論になる。
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