日本に留学していた中国人技術者が、中国の極超音速ミサイルの開発に関与した疑いがもたれています。そして北朝鮮が打ち上げた極超音速ミサイルの技術について米国の専門家は「外部の支援があったはずだ」と見ているとの記事が中央日報から配信されました。
朝日新聞には昨年、中国の極超音速ミサイル開発に関連して「千人計画」警戒強化の記事が出ています。本件は公安調査庁から報告がなされていました。
米、北朝鮮人5人に制裁 ミサイル発射受け 2022年1月13日 3:54 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 北朝鮮 韓国・北朝鮮 ]
【1月13日 AFP】米国は12日、北朝鮮が前日に「極超音速ミサイル」とする飛翔(ひしょう)体を発射したことを受け、同国の弾道ミサイル開発計画に関係する北朝鮮人5人に制裁を科した。
米財務省は、制裁対象の5人は北朝鮮の「大量破壊兵器と弾道ミサイル関連プログラムのための物資調達」を担当していると説明。ブライアン・ネルソン(Brian Nelson)財務次官(テロリズム・金融情報担当)は、北朝鮮による「最新のミサイル発射は、国際社会が外交と非核化を求めているにもかかわらず、禁止されているプログラムを進め続けていることを示すさらなる証拠だ」と指摘した。
北朝鮮の国営通信は12日、同国が金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党総書記の立ち会いの下、「極超音速ミサイル」の発射実験に成功したと報じた。北朝鮮によるミサイル発射はここ1週間で2度目。(c)AFP
米、北朝鮮人など7人に制裁 相次ぐミサイル発射は「国連決議違反」 ワシントン=園田耕司2022年1月13日 10時28分 朝日新聞デジタル
米政府は12日、北朝鮮の大量破壊兵器と弾道ミサイル開発に関係する物資の調達に関与したなどとして、北朝鮮国籍の個人6人、ロシア国籍の個人1人の計7人に制裁を科したと発表した。米政府は北朝鮮が昨年9月以降、計6回にわたって弾道ミサイルを発射し、いずれも国連安保理決議に違反していると指摘した。
ネルソン米財務次官は声明で、今回の制裁について「北朝鮮の大量破壊兵器と弾道ミサイル計画に対抗する米国の取り組みの一部だ」と強調した。米財務省外国資産管理室(OFAC)によると、北朝鮮国籍の5人はロシアや中国で、大量破壊兵器と弾道ミサイル開発に関係する通信機器などの物資を調達して北朝鮮に送ったとされる。制裁対象者の米国内での資産は凍結され、商取引は禁じられる。OFACは声明で「米国は、北朝鮮との間で対話路線をとる考えを維持しているが、北朝鮮の違法な兵器計画が米国や国際社会に与える脅威に対応し続ける」と強調した。
米財務省の発表に加え、米国務省は同日、北朝鮮の大量破壊兵器の拡散に関与したとして、北朝鮮国籍の個人1人とロシア国籍の個人1人に制裁を科したと発表した。
北朝鮮は11日に弾道ミサイルを日本海に向けて発射。今年に入って2回目の発射となる。北朝鮮の朝鮮中央通信は12日、極超音速ミサイルの試験発射だったと主張した。(ワシントン=園田耕司)
性能が急進展した北朝鮮の極超音速ミサイル…米国「外部の支援あったはず」 1/7(金) 15:45配信 中央日報
北朝鮮が5日に極超音速ミサイル試験発射に成功したと明らかにしたことを受け、米国内の専門家が「相当な発展速度だが、試験成功の主張をそのまま信じるのは難しい」という反応を見せた。
6日(現地時間)のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、米戦略国際問題研究所(CSIS)のイアン・ウィリアムズ・ミサイル防衛プロジェクト副局長らは「北朝鮮の主張を裏付ける追加な資料が必要だ」とし、このような見解を明らかにした。
ウィリアムズ副局長は「いくつかの状況からみて、今回の発射は確かにミサイル領域で北朝鮮の相当な発展速度を見せている」としながらも「ただ、北朝鮮が主張した程度の射程距離を低く早く飛行する技術力を確保するのは容易でない。ごく少数の国だけが関連技術を保有、開発中と知られているだけに、外部の支援があったとみている」と分析した。
北朝鮮は6日、朝鮮中央通信を通じて今回の極超音速ミサイルが700キロ飛行したと主張した。半面、日本防衛省は飛行距離を500キロと分析し、韓国軍当局も「探知情報と差がある」と明らかにした。
これについてミドルベリー国際研究所のジョシュア・ポラック研究員は「(射程距離の評価が異なるのは)ミサイルが頂点高度から下降してまた上方に向かうプルアップ機動方式の軌跡で飛行し、一般弾道ミサイルの放物線軌跡と違って探知が難しかったため」と説明した。
こうした発射軌跡は「北朝鮮版イスカンデル」と呼ばれるKN-23戦術誘導弾と似ている。変則飛行をするだけに実際の攻撃時には迎撃がかなり難しいということだ。
一部では北朝鮮の主張をそのまま受け入れるには無理があるという評価もある。米民主主義防衛財団(FDD)のデビッド・マクスウェル研究員は「現在、韓米軍当局や情報機関で今回の試験ミサイルの種類を明らかにした報告書はないため、北朝鮮の成功主張を信じるのはまだ早い」とし「北朝鮮はミサイルが標的に正確に命中したと主張したが、海に落ちるミサイル試験発射にどんな標的を設定したのか分からない」と話した。
ランド研究所のブルース・ベネット研究員も「北朝鮮が位置追跡機でミサイルが落ちた座標を把握した可能性はあるだろうが、標的に命中したというのは正確な表現でないだろう」と指摘した。
一方、米国防総省の報道官は6日、北朝鮮の主張についてVOAに「具体的な性格を評価している。いかなる新しい能力も深刻に受け止める」と明らかにした。そして「最近の発射を評価し、後続措置を決めるうえで同盟と緊密に協議している」と伝えた。
これに先立ち米インド太平洋司令部は5日の声明で、「米国側の人々や領土、同盟にすぐに直接的な脅威になるものではない」としながらも「北朝鮮の不法武器プログラムが起こす不安定を強調するものだ」と述べた。
◆安保理も北朝鮮の挑発を議論か
国連安全保障理事会も来週、北朝鮮の極超音速ミサイル挑発について議論する。一部の安保理理事国が10日(現地時間)の非公開会議招集を要請した。
安保理は通常、北朝鮮が挑発する場合、直ちに動き始めるが、今回はロシア正教会のクリスマス(1月7日)連休などが重なったため会議の招集が遅れたとみられる。
非公開会議には安保理理事国だけが参加できる。全体が生中継されて公式記録に残る公開会議とは異なる。常任理事国の中国とロシアのため、会議で合意した意見を出すのは難しいと予想される。ただ、一部の国が会議後に別途に北朝鮮の挑発を糾弾する共同の立場を発表する可能性はある。
外交部当局者は「わが政府は米国をはじめとする主要安保理理事国と緊密に意思疎通をしている」とし「会議の結果については安保理の議論をまず見守る必要がある」と述べた。
中国人研究者から技術流出、先端兵器に?日本も「千人計画」警戒強化 2021年12月12日 10時00分 朝日新聞デジタル
日本や欧米の政府が、軍事に転用される可能性が高い機微技術の流出への対策を強化している。念頭にあるのは、「軍民融合」を掲げて先端技術の軍事転用を進める中国だ。各国は大学や研究機関での規制強化にも乗り出し、技術の保護と発展の両立という難題に直面している。
公安調査庁関係者によると同庁は今春、「我が国留学歴を有する極超音速分野の中国人研究者」と題した資料を関係省庁に提出した。
朝日新聞が入手した同資料によれば、日本の国立大学や国立研究開発法人に助教授や研究員などの肩書で所属していた中国人研究者9人は、ジェットエンジンや機体の設計、耐熱材料、実験装置などを研究。これらの分野は米中ロが開発にしのぎを削る極超音速兵器の開発で鍵となる技術だという。
このうち流体力学実験分野の研究者は、1990年代に5年間、日本の国立大学に在籍。帰国後、軍需関連企業傘下の研究機関で、2017年に極超音速環境を再現できる風洞実験装置を開発。2010年代に日本の国立大学にいた他の研究者も帰国後に国防関連の技術研究で知られる大学に在籍するなど、9人は帰国後、研究機関などに所属したという。
資料は調査をふまえて、「学術交流の対象分野が軍事転用可能な場合、技術流出などで中国の武器・装備品の性能向上を下支えする可能性」があると指摘した。(以下略)
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